一昔前までは全く何のお咎めもなかった、ストーカー行為。
最近はストーカー行為やそこから発生する犯罪の凶悪犯罪化に伴いストーカー規制法という法律が施行され現在はストーカー行為というのは法律違反の犯罪行為となっています。
このストーカー行為を規制するストーカー規制法はどのような法律なのでしょうか。今回はストーカー規制法の内容や実際にどのような行為が違反にあたるのか、そして実際に警察にいく際に押さえておきたい3つのポイントを解説していきます。
ストーカー規制法はどんな法律?違反すると逮捕はある?
それではストーカー規制法というのはどのような法律で違反すると逮捕などの罰則を受けることはあるのでしょうか?
原則的にストーカー規制法というのは過去にストーカー被害から恐ろしい凶悪事件にまで発展してしまった事例があることから、このような事態を未然に防ぐために制定された法律です。
実際の事案は割愛しますが、過去にはニュースになるような、深刻なストーカー事件が数多く発生したのです。
そして現在も、顕在的・潜在的な被害者はとても多く、日々ストーカー規制法違反での検挙者が発生しています。
ちなみにこれはれっきとした刑事罰を受ける可能性がある犯罪となり、警察が犯人逮捕まで被害者の方をきちんとサポートしてくれます。
ストーカー規制法はストーカー行為に刑事罰を設けた比較的新しい法律
そしてストーカー規制法は実際の犯罪の発生状況に応じて改正が度々行われており、ここ数年では本人からの申告がなくても警察がストーカー行為の事実があると考えた時点で捜査を開始することができる、いわゆる非親告罪という扱いになりました。
そのため被害届の提出がなくてもストーカー規制法違反という形で警察の捜査が可能になったというわけです。
ちなみにストーカー規制法違反の容疑で逮捕されるケースというのは非常に近年増加傾向にあります。
これは比較的新しい法律で、なおかつ改正が行われているということをあまりよく知らないストーカー加害者も多くいます。
自分の行為は法律違反をしていないと自信満々に悪質な行為に出ているストーカーが多いことは、このストーカー規制法違反容疑で逮捕される人が多くなってきている要因のひとつです。
もちろん刑事罰なので警察が動く案件となり、警告だけでは済まないケースも!
ちなみにストーカー規制法違反というのは一般的な刑事事件とほとんど同じ流れで扱われることになりますので、警察や検察の方でそういった判断が下されれば逮捕から勾留という道をたどることになりますし、場合によっては起訴という形で裁判にかけられる可能性もあります。
一般的には逮捕勾留という事態に陥る前に警察からの警告を受けることになります。ただしこの警告が効果を持たずストーカー行為が治らない場合には、当然のことですが逮捕という形になります。
人によっては在宅捜査はないのかというストーカー加害者もいますが、原則的にはストーカー行為というのは逃亡したり証拠隠滅をしたりする恐れがある犯罪行為となりますので逮捕という形が実際のところは多く取られています。
どのような行為があれば、相手にストーカー規制法が適用される?
それでは相手からのストーカー行為があったとして、どのような行為があれば相手にストーカー規制法が適用されるのでしょうか。
ストーカー規制法では大きく分けて二つの行為について規制を行っています。根本的にはストーカー行為とつきまとい行為の二つです。
ここではストーカー規制法が適用される代表的な行為の例についてご紹介していきます。
つきまとい行為はもちろんNG!押しかけ行為もアウト
ストーカー規制法の規制対象は、大原則としてつきまとい行為というのはもちろんNGとなります。
例えば家や職場あるいはで先などに本人を尾行したり、あるいはその本人の立ち寄り先に押しかけたり、あるいはその周辺を声をかけることなくうろついたりするのはもちろんアウトです。
この他、場合によっては待ち伏せを行うなどこういった行為については当然ですがストーカー規制法違反となります。
この場合にはその事実を記録しておき、後ほど警察に提出することによってストーカー規制法違反として立件してもらうためのヒントとなります。
監視されていることがわかる様に連絡をしてくる行為もストーカー規制法違反
またストーカー行為の典型的な例として、自宅に帰ってきた時にタイミングを見計らったように電話をしてきたり、あるいはメールやメッセージアプリなどでおかえりと送ってくるなどの行為もいけません。
明らかに生活が監視されていることをうかがわせるような内容の連絡を取るというのもストーカー規制法違反の要件の一つとなります。
この行為については昔からある典型的なストーカー行為ということになりますのでほぼ生活の平穏を害されていると判断して差し支えありません。このような場合にはできる限り速やかに警察などの外部の介入が求められます。
決して判断に迷うようなものではありませんので出来る限り速やかに警察に駆け込むようにしましょう。ストーカー対策ははやめの対策が良いケースもあります。
むりやり交際を要求するのは強要罪などにあたるケースも!?
過去に交際していた相手、いわいる元彼などがストーカー化するケースというのも想定されます。
例えば交際を終えた後にもう一度会って欲しい、あるいは付き合ってほしいもう一度やり直したいなど法的にその人に義務のないことを要求するという行為は全てストーカー規制法違反となります。
つまり元彼がしつこくてというような状況モードを超えてしまえばストーカー行為ということになるわけです。
もちろん、元恋人以外にも元浮気相手、元不倫相手、元婚約者、元配偶者などもストーカーになるケースがあります。
また場合によっては、強要して義務のないことを行わせようとするということで強要罪などの別の法律違反に該当するケースもあります。
この場合には強要罪という形で立件が可能となりますので迷わず警察に駆け込んでしまいましょう。
ストーカー行為の末、乱暴な行動をとられるのは警察への即時通報でOK
そして警察への通報、つまり110番となると何かとこのタイミングでしてもいいものだろうか、話が大きくなってしまわないだろうかと考えてしまうものです。
しかし、ストーカー行為の末に何か乱暴な行動をとられてしまったり、あるいは言葉の暴力を直接あびせられるような状況になってしまった場合には、その場ですぐに警察への即時通報を押してしまって構いません。
これは現行犯ということになりますので、即座に警察に通報し相手の身柄を警察官に拘束してもらうというのが先決となります。
仮に相手が逃走してしまった場合でも証拠などが残っていると後日逮捕という形に発展するケースもあります。
SNSやメールでの執拗な連絡はもちろん法律違反!
24時間昼夜を問わず何度もかかってくる無言電話はもちろんのこと、メールやSNSなどで何度もメッセージがきて、さらにそのメッセージが気味の悪いものだったりするなども法律違反です。
こういった部分で困っている場合にはもちろん法律違反ということで立件することが可能です。
さらに着信拒否をしていたにもかかわらず何度も何度も電話をしてくるというような状況でもストーカー規制法違反ということになりますので、このようなケースが発生した場合にもも様子警察へ駆け込んでしまって構いません。
証拠として、送られてきたメールや着信履歴などの写真を撮っておくと、相談する際実際に見せることができるので大事なポイントです。
汚物が送られてくるケースも立派なストーカー行為として立件可能
ストーカーの中には動物の死体や汚物など受け取った時に決していい思いをしないようなもの、また場合によってはトラウマになってしまうようなものを被害者に送ってくるケースもあります。
これらの行為は単なる嫌がらせ行為として昔は捉えられていましたが、現在では立派なストーカー行為として規制をすることが可能となりました。
これらの行為についても警察の指導や警告あるいは逮捕の対象となりますので記録をきちんととっておき、その上で警察に証拠として提出するようにすれば適切に対処してもらうことが可能です。
悪口やデマは名誉毀損とストーカー規制法違反に問える可能性大
本人の名誉やその尊厳を傷つけるようなことを吹聴されてしまったり、あるいはネット上に公開情報として書き込まれてしまったりするということがしばしばストーカー行為において見られます。
これらの行為はストーカー規制法違反の要件にも該当するのですが、それ以外にも名誉毀損や侮辱罪など様々な部分で罪に問える可能性が高いです。
特にネットでの悪口などについては記録をとっておき、その上で適切な部署に情報提供を行うようにしましょう。
ネットは匿名だから分からないと思われている方もいらっしゃいますが、原則的に警察などの機関が介入することによってその情報発信者が特定することができるケースがほとんどです。
性的羞恥心を害する行為もストーカー行為として処罰対象に
性的羞恥心を害するような行為、つまりわいせつな写真が送られてきたり、あるいは本人のわいせつな写真や様々なプライベート写真や動画などがネットに流されたりするという行為も基本的にはストーカー行為として処罰の対象となります。
リベンジポルノという言葉がありましたが、この辺りの行為についても当然のことながら処罰が可能です。
ただしこのようなものがネット上に公開されてしまうと取り返しのつかない事になりますので、出来る限りこのような事態にエスカレートする前に警察などの手を借りてストーカーを封じ込めてしまうというのが肝要です。
ストーカー被害を受けたらまずは警察へ!話を聞いてくれるのは女性警官?
ストーカー被害を受けて不快感を感じたり身の危険を感じたら、まずは警察へ相談に行くというのが第一歩となります。警察に相談したことで警察官から怒られるなどの不利益を被ることは決してありませんので、安心して警察に相談に行きましょう。
そしてそんな警察では話を聞いてくれる警官は男性でしょうか、それとも女性でしょうか。そしてどのような部署に通されるのでしょうか。ここでは警察に行った後の流れについて解説します。
生活安全課という所で聞き取りが行われる
警察署にはアポなしの状態で駆け込んでしまっても問題はありませんが、出来る限り事前に相談の電話をかけておくことが望ましいと言えるでしょう。
ストーカーに関する事案について基本的には生活安全課という部署で聞き取りを行われることになります。生活安全課は主に市民生活に関わる問題や事件を取り扱う部署です。
この聞き取りでは誰のどういった行為で困っているのかというようなヒアリングが行われますが、この時に出来る限り明らかにストーカー被害を受けているという証拠などを持っていくと相談がスムーズになります。
場合によってはこの段階で被害届を書くかどうかの選択を求められることもありますので、出来る限り速やかに被害届を提出するようにした方が賢明と言えるでしょう。
要望すれば女性警官が話を聞いてくれるので忘れずに希望しておくのがオススメ
そして大変気になるポイントですがこれらの相談については、基本的にはその時点で対応をすることができるいわゆる手の空いている男性警察官が対応することになります。
ただし要望すれば女性警官が話を聞いてくれますので、女性警官に相談をしたいということであれば忘れずに事前に「女性警官の方にお話を聞いていただきたいのですが」と申し出るようにします。
都道府県警察の警察署のホームページには女性警官がストーカー事案の相談に対応できるかどうかなど詳細が掲載されているケースもありますので、まずはお近くの警察署のホームページなどを確認するというのも忘れずにやっておきたい対策の一つです。
まとめ
このようにつきまとい行為や無理やり交際を要求するような行為、あるいは悪口や悪質な無言電話という行為も最近ではストーカー規制法違反ということで犯罪行為となります。
事件や時代の流れとともに処罰されるストーカー行為も変わることがわかりました。
そして警察に相談することによってストーカー加害者への警告やさらには逮捕というような対処の方法も可能となっています。ストーカー被害ははやめに対処することで大事に至らないというケースもあります。
決して一人で抱え込まずに早めにお近くの警察署に相談するようにしましょう。女性の警察官も話を聞いてくれる環境が整っています。
いきなり警察署に行くことが重荷であれば、まずは電話を一本かけると心の準備もできるのでオススメです。