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ストーカーを訴えたい!でもストーカー犯罪には時効はあるの?

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ストーカー行為は立派な犯罪です。

 

ですので、当然警察に被害届を出して刑事訴訟を起こしたり、民事訴訟で損害賠償を請求したりすることができます。

 

ストーカー行為によって迷惑や実害を被っても、泣き寝入りする必要はありません。

 

しかし、これらの訴訟をおこすためには時効成立前であることが条件となります。

 

では、ストーカー犯罪の時効とは、一体どれぐらいの期間に定められているのでしょうか?

 

ここでは、ストーカー規制法とその法律により定められた訴訟の時効について解説していきます。

 

ストーカー行為を取り締まるのは通称ストーカー規制法と呼ばれる法律

ストーカー行為等の規制等に関する法律、通称「ストーカー規制法」は比較的新しく定められた法律です。

 

きっかけは1990年に当時20才の女子大学生が、埼玉県の桶川駅前でストーカーに刺殺された「桶川ストーカー事件」です。

 

刺殺された女子大生は両親と共に何度も所轄の警察署に相談に行っていましたが、警察にストーカー行為に対して対応してもらうことはできませんでした。

 

なぜなら、当時はストーカーを規制する法律がなく、ストーカーをされている側に実害が及ばないと警察は動けない状況だったからです。

 

この事件をきっかけにして2000年11月24日に「ストーカー行為等の規制等に関する法律」が施行されました。

 

この法律ができたおかげで、付きまといなどの迷惑行為を事件として扱えるようになり、罰金や懲役などの罰を加害者に与えることができるようになりました。

刑事事件としてストーカー犯罪を訴える場合の時効はどれぐらい?

ストーカーを刑事事件として捜査してもらい、訴訟を起こすためには時効成立前である必要があります。

 

では、ストーカー行為を刑事事件として訴訟を起こすことができる期間は、どれぐらいあるのでしょうか。

 

ストーカー公訴時効は、「ストーカー行為等の規制等の関する法律13条1項」及び「刑事訴訟法250条6号」により3年と定められています。

 

この期間を過ぎると、罰金、懲役、禁錮などの刑事罰を与えるための裁判を行うことができなくなってしまいます。

 

ストーカー行為をしたものに対する罰則は、ストーカー規制法により6か月以下の懲役または50万円以下の罰金となっています。

 

刑事訴訟法25条6号により、「長期五年未満の懲役もしくは禁錮又は罰金に当たる罪においては3年を経過することによって時効が完成する」と定められているため、ストーカー行為の時効は3年となります。

 

民事裁判としてストーカー犯罪を訴訟する場合の時効はどれぐらい?

ストーカー行為がエスカレートして、心や体に傷を負った場合、慰謝料や損害賠償を請求するための民事裁判を起こすことができます。

 

このように民事訴訟を起こす場合、時効は3年となっています。

 

では、なぜ3年何でしょうか?

 

ストーカー行為に限らす、民事裁判により慰謝料や損害賠償を請求する場合には時効は3年と民法第724条で定められています。

 

民事訴訟で慰謝料を請求するときには、刑事訴訟での判決結果が大きく影響します。

 

ですので、刑事訴訟が終了してから民事訴訟を起こすケースがほとんどです。

 

しかし、時効が間近である場合などには刑事訴訟と民事訴訟を並行して行うことも可能です。

 

民事訴訟の場合、判決が出る以外にも、口頭弁論を繰り返す中で和解が成立することもあります。

時効へのカウントダウンはストーカー犯罪の場合いつから始まる?

ストーカーを刑事公訴したり、民事訴訟を起こす場合には時効があることを解説してきました。

 

では、時効はいつから数え始めればよいのでしょうか。

 

 

 

ストーカー犯罪は親告罪であるため、刑事事件として公訴するためには、加害者を知った時から6か月以内に告訴する必要があります。

 

この告訴は、被害者以外にも法定代理人、被害者が死亡してる場合には一定範囲の親族が行うことができます。

 

その理由は、6か月以内に告訴しなければ、公訴を提起できないためです。

 

刑事事件の時効が3年になっていても、ストーカー被害にあったら告訴は6か月以内に行いましょう。

 

このような決まりは、刑法235条1項で定められています。

 

民事訴訟を起こす場合には、消滅時効があるので、注意しなければなりません。

 

民事訴訟を起こす場合、ストーカー被害にあった時、および加害者が誰であるか特定できたときから時効へのカウントダウンが始まります。

 

この3年を過ぎると民事訴訟を起こすことができなくなってしまいます。

 

 

まとめ

ここまで、ストーカー被害を訴える場合の時効について説明してきました。

 

刑事事件として訴える場合も、民事事件として訴える場合も、時効は3年と決められています。

 

この3年という期間はどちらで訴える場合も同じ年数ですが、根拠となる法律は異なります。

 

また、刑事事件として告訴する場合には、時効は3年となっていても、告訴は犯人を特定した時点から6か月以内に告訴する必要があるので、注意しましょう。

 

これは告訴をしなければ、検察が公訴を提起できないとされているためです。

 

民事裁判を起こす場合には、被害を受けた時、又は犯人が特定できた時から3年が時効になります。

 

ですので、慰謝料や損害賠償を請求する場合には、上記の時点から3年以内に民事裁判を開始するようにしましょう。

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