盗撮の被害にあった時の相談先は、警察だけじゃないということをご存知でしたか?
盗撮犯の逮捕は警察にしかできませんが、盗撮被害の相談なら探偵や弁護士にもできるのです。
探偵に被害を相談すれば盗撮犯の特定も可能ですし、弁護士に相談すれば盗撮犯から示談金か損害賠償金をもらえます。
このことを知らずにいると、いざ盗撮の被害にあった時に被害が拡大したり、もらえるはずのお金をもらえずに損をしてしまうかもしれません。
今回は盗撮の被害にあった時に被害の拡大や損することを防ぎたいという方のために、3つの相談先がそれぞれしてくれる対策について説明していきます。
盗撮被害にあった時の相談先は警察、探偵、弁護士の3つ
盗撮の被害にあった時に相談するべき場所は警察、探偵、弁護士の3つです。
しかし盗撮の被害にあったからといって、この3つのうちどこに相談してもいいというわけではありません。
被害女性がその時置かれている状況や、やってもらいたい対策によって、このうちどこに相談するべきかが決まってくるのです。
盗撮の相談をする場合、警察、探偵、弁護士の役割は、以下のようになっています。
- 警察…盗撮犯の捜査、逮捕
- 探偵…盗撮カメラの捜索、盗撮犯の特定
- 弁護士…盗撮犯から示談金や損害賠償金をもらうための手伝い
こうしてそれぞれの役割を見れば、やってもらいたいことによってどこに相談すればいいのかが分かるはずです。
次のパートから、警察、探偵、弁護士それぞれに盗撮被害の相談をした場合に対応してもらえることについて具体的に説明していきます。
盗撮被害にあった時に警察にとってもらえる対策とは?
盗撮被害を受けた時の相談先として、多くの人が真っ先に思いつくのが警察ではないでしょうか。
警察は先ほど挙げた3つの相談先のなかでも、唯一盗撮犯を逮捕できる機関です。
警察に盗撮被害を相談するタイミングは、当然犯人がまだ捕まっていない状態の時になります。
では警察に盗撮被害を相談した場合、具体的にどのようなことをしてくれるのでしょうか?
ここでは、警察に盗撮被害を相談した時に対応してもらえることについて説明していきます。
盗撮被害にあった時に警察にとってもらえる対策!被害届の受理
警察に盗撮被害を相談した場合、対応してもらえることは被害届の受理です。
被害届を出すには近くの警察署に行くか、被害にあったばかりなら現場から通報して警察官に来てもらいましょう。
被害届には被害にあった日時や場所、被害の内容、自分の氏名や住所、生年月日、職業などを記載します。
記載と言っても警察官が代筆してくれるので、聞かれたことに答えるだけで問題ありません。
盗撮犯が知っている相手なら、犯人の氏名や住所などを伝えれば検挙は簡単です。
盗撮犯がまったく知らない相手だった場合でも被害届は提出できますが、何の手がかりもなければ検挙は難しくなるでしょう。
現行犯逮捕なら警察に頼らずに犯人を捕まえることも可能
警察に頼らずに、個人でも盗撮犯を捕まえる方法があるということをご存知でしょうか?
その方法とは、盗撮の被害にあったその場で犯人を逮捕してしまうことです。
犯人が犯罪行為を行った時にその場で逮捕することを現行犯逮捕と言いますが、現行犯逮捕は警察官以外の一個人でも可能です。
そのため、たとえばエスカレーターなどで自分のスカートの中にスマホなどを差し入れて撮影している男がいたら、すぐにその場で逮捕できます。
盗撮犯を一人で捕まえることは難しくても、「この人に盗撮されました」などと声をあげれば周りにいる人たちが犯人を捕まえてくれるかもしれません。
現行犯逮捕が個人でもできるということは、覚えておいても損はないと言えるでしょう。
盗撮被害にあった時に探偵にとってもらえる対策とは?
盗撮被害にあった時の相談先に探偵があるということは、意外に思った方も多いかもしれません。
探偵は依頼人の依頼を受けて仕事をしますが、いつ起こるかどうかも分からない外出先での盗撮の対策を依頼する人などいるはずもありません。
しかし外出先の盗撮ではなく、家の中に盗撮カメラを仕掛けられている可能性がある場合、探偵に相談することで事件の解決が大いに期待できるのです。
では盗撮被害を探偵に相談した場合、具体的にどんな対応をしてもらえるのでしょうか?
ここでは、盗撮被害を探偵に相談した場合に対応してもらえることについて説明していきます。
盗撮被害にあった時に探偵にとってもらえる対策①盗撮カメラの捜索と撤去
盗撮カメラが家に仕掛けられているかもしれない場合、探偵に依頼すれば高性能の発見機材を複数台使ってカメラを捜索し、撤去してくれます。
探偵が使う盗撮カメラ発見器には、大きく分けて以下2種類のものがあります。
- 無線式盗撮カメラ発見器
- 光学式盗撮カメラ発見器
無線式盗撮カメラ発見器は、盗撮カメラの発する電波の周波数を探知してカメラを発見できる優れものです。
光学式盗撮カメラ発見器は光を放ち、盗撮カメラに使われている光学レンズに反射させることでカメラのある場所を探し出せます。
これらの機器を使って盗撮カメラを見つけ出してくれるので、家にカメラを仕掛けられているかもしれないという人は探偵に依頼するのがおすすめです。
盗撮被害にあった時に探偵にとってもらえる対策②盗撮犯の特定
盗撮の対策を探偵に依頼すれば、カメラの捜索だけでなく盗撮犯の特定も可能です。
盗撮カメラのなかには電池式のものや、カメラに内蔵されたメモリーカードなどの記録媒体に映像を録画するタイプのものもあります。
電池式のカメラは電池が切れれば交換する必要がありますし、録画式のカメラはメモリーカードを回収しないと録画した映像が観られません。
そのためカメラを仕掛けた盗撮犯は、被害女性の家に再び侵入してくる可能性が高いと言えます。
探偵は盗撮カメラに映らないように防犯カメラを仕掛け、逆に盗撮犯の姿を録画するのです。
家にカメラを仕掛けるタイプの盗撮犯は、被害女性の顔見知りであるケースが多くなっています。
そのためカメラに盗撮犯が映れば犯人の身元が分かるので、あとは警察に被害届を出せば簡単に検挙してもらえます。
探偵に頼らずにカメラの捜索や犯人の特定をすることも可能だが難しい
ここまで盗撮の相談を探偵にすることのメリットを紹介してきましたが、カメラの捜索くらいなら自分でできると思った人もいるかもしれません。
確かに盗撮カメラの発見器はネット通販でも販売されていますし、安いものなら1,000円ほどで購入できます。
しかし値段が安い発見器は精度が低いため、あまり当てにはできません。
数万円で販売されている高精度の発見器もありますが、探偵に依頼すれば、それと同じくらいの値段でより精度の高い発見器を使って捜索してくれます。
盗撮カメラを見つけ出したいのなら、自分一人でやるよりも探偵に依頼したほうが確実だと言えるでしょう。
ただしなかには悪質な探偵業者もいるので、依頼する時は実績があって信頼できる探偵事務所を選ぶのがおすすめです。
盗撮被害にあった時に弁護士にとってもらえる対策とは?
ここまで盗撮被害にあった時の相談先として警察や探偵を紹介してきましたが、盗撮の被害にあった時、被害女性の最後の相談先になるのが弁護士です。
なぜ最後なのかというと、被害女性が弁護士に相談することになるのは盗撮犯が逮捕された後の話だからです。
盗撮犯が逮捕されれば、被害女性は盗撮犯から弁護士を通して数十万円の示談金か損害賠償金を受け取れます。
では盗撮被害を弁護士に相談した場合、具体的にどんなことをしてくれるのでしょうか?
ここでは、盗撮被害を弁護士に相談した場合に対応してもらえることについて説明していきます。
盗撮被害にあった時に弁護士にとってもらえる対策①盗撮犯との示談交渉
盗撮犯が逮捕された後、高確率で被害女性のもとに弁護士がやって来ます。
やって来るのは盗撮犯に雇われた弁護士で、被害女性に示談の交渉をもちかけるのです。
被害女性が示談に応じれば、盗撮犯は罪が軽くなったり、初犯なら無罪になる確率が高くなるというメリットがあります。
そのため盗撮犯は弁護士を雇い、自分のかわりに被害女性に示談交渉をしてもらうのです。
示談に応じてもらうかわりに、盗撮犯は被害女性に示談金を支払います。
示談金はあくまで盗撮犯と被害女性双方の話し合いによって決まるため、被害女性は盗撮犯の代理人である弁護士と示談金の交渉を行えます。
もちろんこの場合、弁護士のほうから被害女性に接触してくるため、被害女性は自分から弁護士に相談に行く必要はありません。
盗撮被害にあった時に弁護士にとってもらえる対策②盗撮犯に損害賠償を請求
被害女性と盗撮犯の間で示談金額の合意がとれなかったり、どちらかが示談を拒否した場合、被害女性は示談金をもらえません。
しかし示談金がもらえなくても、盗撮犯が有罪になれば被害女性に損害賠償をする義務が課せられます。
つまり示談が成立せず、示談金がもらえなくても、被害女性は盗撮犯に損害賠償金を請求できるのです。
ただしこの場合、被害女性は自ら民事訴訟を起こして盗撮犯相手に損害賠償の請求を行わなければなりません。
民事訴訟を起こす場合は弁護士に相談すれば、面倒な手続きから裁判の終了まで心強い味方になってくれます。
ただし残念なことに、この場合の弁護士費用は被害女性が自ら負担しなければなりません。
弁護士に頼らずに盗撮犯から損害賠償を請求することも可能だが難しい
民事裁判は弁護士に依頼せず、被害女性が一人で行うことも可能で、この場合は当然弁護士費用を支払う必要はありません。
しかし素人が一人で裁判をした場合、勝てるはずの内容でも知識不足で負けてしまう可能性があります。
その結果、得られるはずの賠償金の額が減ったりしたら元も子もありません。
そのため民事訴訟で確実に損害賠償金を得るためには、弁護士に相談したほうが確実だと言えます。
ただし民事訴訟でなく、民事調停という制度を利用すれば手続きが簡単なので個人で行うことも充分可能です。
民事調停は裁判ではなく、あくまで盗撮犯と被害女性の話し合いにより賠償額が決まり、決まった額は裁判の判決と同じ効力を持ちます。
ただし盗撮犯と被害女性の間で合意がとれなければ成立しないので、その場合はあらためて民事訴訟を起こす必要があります。
まとめ
盗撮の被害にあった時、相談する場所は警察、探偵、弁護士の3種類あり、それぞれに役割が決まっています。
警察は、盗撮犯を捕まえたり特定した時に逮捕してもらえる機関です。
犯人が分からなくても被害届を出して捜査をお願いすることもできますが、手がかりがなければ検挙は難しいと言えます。
探偵は、家の中に盗撮カメラが仕掛けられていると思った場合の相談先です。
高性能の発見器で盗撮カメラを捜索してくれるうえ、盗撮犯の特定もしてくれます。
弁護士は盗撮犯が捕まった場合に相談する相手で、示談金の交渉や、示談が成立しなかった場合に起こす民事訴訟の手続きをかわりにしてくれます。
このように、タイミングやケースごとに盗撮被害を相談するところは変わってくるものです。
もしあなたが盗撮被害に悩んでいるのなら、ぜひこの記事を参考にして、その時その時のベストな相談先に相談してみましょう。