女性に対する嫌がらせの一つに盗撮がありますよね。電車の車内で盗撮されるようなケースもあれば、空き巣にあった際に自宅に盗撮カメラを仕掛けられるといったケースもあります。プライバシーが侵害されるというのも立派な被害ですが、他にはどんな実害が出てしまうのでしょうか。
今回は、盗撮されてしまうと起こる被害を、盗撮の事例を交えて紹介した上で、どういった対策を取ることが必要なのかを解説します。たかが盗撮ぐらいと思っていたら思わぬ被害が出てしまうこともあるので、決して泣き寝入りせずにしっかりと対処することが必要です。
電車の車内で撮られた写真がインターネットに公開されてしまった
「この写真ってもしかして○○さん?」会社の同僚から差し出されたスマホに写っている写真には確かに自分が映っている。写真を撮られたりするような心当たりは全くないのに、何者かが自分の写真をネットにアップするという被害が最近増えているといわれています。
一昔前であれば携帯電話に搭載されているカメラの画質は低く、電車の席と席の間ぐらいの距離があれば写真も不鮮明で、誰が映っているかが一目では分かりませんでした。しかし、最近のスマホは搭載されているカメラの性能も高く、ある程度の距離があっても顔が鮮明に写るようになりました。
このためインターネット上ではスマホで盗撮した画像を交換するような場所もあり、スマホを使った盗撮は今や社会問題の一つになったと言っても過言ではありません。先ほど紹介した事例で写真をアップロードされてしまった会社員の女性も警察に相談には行きました。
しかし、一度ネット上に流出した画像を完全に消去することは難しく、今も解決には至っていないものと思われます。このような被害を防ぐためにはどうすれば良いのでしょうか?
たかがスマホのカメラだからと油断してはいけません
スマホは基本的には横、あるいは下に向けて使うものですので例えカメラが自分の方を向いていても盗撮とは断定しにくいものです。このことも盗撮被害に気付きにくくしていますし、もし自分を盗撮しているような気がしても単にスマホを操作しているだけと開き直られてしまいます。
しかし、スマホ盗撮の常習者に共通するある特徴を知っていると、相手が自分を盗撮しているかどうかを判断する材料になります。その共通点というのは、普通にスマホを操作する人というのは基本的にスマホの画面にだけ集中しています。
もし、自分がスマホで盗撮されている気がした時には相手の目を見てみましょう。もし、スマホを操作しながらこちらの動きをチラチラ目で確認するような動きをしていたら、相手が盗撮している可能性は高いです。それは、こちらが盗撮に気付いていないかを確かめる動作だからです。
盗撮に気付いたら勇気を出して周りの人に助けを求めたり、駅員に声を掛ける必要がありますが、盗撮犯が開き直ったら「こちらの事をチラチラ見ていました!」と訴えましょう。そうすれば、周りの人も相手が盗撮犯と思ってくれるので協力してくれるはずです。
空き巣の被害に遭ったのに何も盗られずに済んだと思っていたら...
ある日、外出先から戻ってみると鍵を掛けていたはずの窓が開いていたり、家具の配置が微妙に変わったりしている...こうなると、誰もが空き巣に入ったと気付きますよね。短時間の外出だったはずなのに何故...と思いながらも家の貴重品を調べてみると何も盗られていない、というケースがあります。
犯行が短時間だったため空き巣犯が貴重品を見付けられなかったんだな、と思った方は大切な事を見逃しています。それは、空き巣犯の中には1回目の犯行で盗撮カメラを仕掛けて家主の行動や貴重品の場所を探り、2回目の犯行で本格的に金品を盗むということがあるからです。
最初の犯行では家主がいつ戻ってくるか分からないので、ごく短時間で家の各所に盗撮カメラを仕掛けます。そうして撮った映像をもとに家に長時間誰もいない時間を割り出します。こうして後日、改めて空き巣を行い家中の金品を根こそぎ持って行く、という手法を取る空き巣犯がいるのです。
盗撮カメラの映像をもとに行われた空き巣というのも、立派な盗撮被害ということができます。こういった事態を防ぐためにはどんな対策が必要なのでしょうか?
空き巣に入られたら盗撮カメラの設置を疑いましょう
もし、空き巣に入られてしまったら金品の心配をするだけでなく、盗撮カメラや盗聴器が仕掛けられていないかを調べる必要があります。2回目の犯行で金品を盗られるのを防ぐだけでなく、プライバシーを侵害されるという事態を防ぐにはこれらの機器を取り除くしかないからです。
自宅が空き巣に入られたと気付いたらまずは家中を目視できる範囲で探しましょう。盗撮カメラや盗聴器には仕掛けられやすい場所があり、ベッドの下やエアコンの中など普段見ないような場所はこれらの機器が仕掛けられやすいポイントといえます。
他には、ぬいぐるみの目の中や置き時計の中といった意外な場所にも仕掛けられている可能性があるので、一度徹底的に探してみる必要があります。また、盗撮カメラや盗聴器にはバッテリーを動力とするものがある一方で、家のコンセントから電源を供給する機器もあります。
こういった機器は半永久的に動作し続けるため、発見して取り除かない限り映像や音声を記録、送信されてしまうことになります。また、コンセントに仕掛けられるためショートを起こす原因となり、最悪の場合火災が発生してしまう恐れがあります。
このことからも、家に仕掛けられた盗撮カメラや盗聴器は絶対に取り除かなければなりません。これらの機器の発見には市販の盗撮カメラ、盗聴器の発見器が役に立ちます。電気で動く機器は特有の周波数を発生させていて、市販の発見器はこれらの周波数を探知してどこに仕掛けられているのかを教えてくれます。
また、盗撮カメラや盗聴器の扱いに長けた空き巣犯であれば市販の発見器では見付けられない周波数を出す機器を使う可能性があります。こういった機器を発見するには盗撮カメラ、盗聴器の専門家に相談するのが有効です。
専門家が持っている機器であれば市販の発見器では探せない周波数までキャッチできるので、家中の盗撮カメラや盗聴器を根こそぎ探すことができます。これらの機器を家に仕掛けた空き巣犯も、機器が全て取り除かれたとあっては次の機会に空き巣を行うのを諦めるかもしれません。
見知らぬ男性からの手紙が届くようになった女性の事例
よくあるストーカー、付きまといの被害の一つに見知らぬ男性から手紙が届く、というものがあります。初めは一方的にこちらに対する好意を伝える内容であったり、「一度会って欲しい」などとあなたとの接触をはかる内容であったりします。
ところが、「昨日は帰ってくるのが遅かったね」と自分の行動を監視していないと分からないような文面の手紙が届くようになると一気に緊張度が高まります。こういった手紙が届く頃にはあなたも警察に相談するなど一定の対策を取っていると思いますが、それだけでは不十分です。
きっとストーカーがどこかから見ていると思って窓から様子を伺っているけれど、周囲に不審者は見付けられない。それにも関わらず、あなたのプライベートに関する文面の手紙が届き続けるような場合には盗撮カメラが設置されていることを疑ってみる必要があるでしょう。
家の軒先に盗撮カメラが仕掛けられている可能性があります
先ほどの空き巣の事例では家の中に仕掛けられた盗撮カメラについて取り上げましたが、盗撮カメラは家の軒先や少し離れた場所に仕掛けられている可能性もあります。家の中の事を知る必要がある空き巣犯と違い、「いつ家を出たか」、「いつ帰って来たか」だけを知るには家の玄関先が映れば充分だからです。
盗撮カメラは家の軒先や電柱の上、木の中など仕掛けられる場所が数多く存在します。そのため、自宅の玄関先を盗撮されている事が分かっていても、盗撮カメラを発見するのは困難です。このような場合は目視での発見や、市販の発見器での発見は難しいかもしれません。
ストーカーによる盗撮被害には「ストーカー規制法」での対処が可能ですので、まずは警察に相談することをおすすめします。「根底に恋愛感情があり」、「複数回繰り返される」場合には「ストーカー規制法」に抵触しているため警察としても動かない訳には行きません。
警察に相談して盗撮カメラを探してもらえば、自分一人で探すよりもずっと広範囲を探すことが出来るため盗撮カメラを発見できる可能性が高くなります。また、警察があなたの家の周りに居ることを知ればストーカーもあなたとの接触を諦める可能性があります。
「ストーカー規制法」に抵触しないような事例と異なり、あなたに対する好意から盗撮カメラを仕掛けて、あなたのプライバシーを侵害するような行為は警察による捜査の対象になる可能性が高いです。発見された盗撮カメラから犯人の足取りが分かることもあるので、まずは盗撮カメラを発見してもらうように働きかけると良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は、盗撮による被害の事例を3つ取り上げました。スマホのカメラで盗撮されるケースや空き巣に盗撮カメラを仕掛けられるケース、ストーカーが家の近くに盗撮カメラを仕掛けるケースなど盗撮被害の事例は数多く報告されています。
どのようなケースでも決して泣き寝入りが事態を好転させるようなことは少なく、勇気を持って行動することが問題解決のためには近道と言えます。スマホによる盗撮犯の特徴や空き巣が家に盗撮カメラを仕掛ける場所には共通点があり、被害の拡大を防ぐための手立てを考える参考になります。
また、必要に応じて警察に相談することも問題解決には必要なことと言えますので、自分が盗撮されていると気付いたらまずは警察に相談してみても良いでしょう。