ストーカーに遭っていると分かった時、とても不安で心細いのではないでしょうか。ストーカーは、エスカレートすると被害者に直接危害を加えてくる危険性があります。最悪の場合は命を奪われることもあるのです。
直接危害を加えられる前にストーカーを撃退する方法は、3つ挙げられます。一つ目は「初期対応を誤らないこと」、二つ目は「警察に相談すること」、三つ目は「防犯グッズを携帯すること」です。それぞれの方法を知り、ストーカーを撃退しましょう。
ストーカー対策は初期対応を誤らないように気をつける
ストーカーは衝動的な暴漢とは違います。いきなり直接的な危害は加えずに、自分の存在を相手にアピールするために執拗な連絡やつきまとい、嫌がらせを行います。それでも自分の欲求が満たされなかった時、次第に行動がエスカレートしていき、直接的な危害を加えることも考え始めます。
そのため、ストーカーの存在に気付いた時は行動がエスカレートする前に手を打つ必要があります。この初期対応を誤ると、傷害や殺人、強制性行といった最悪の事態を招く危険性があるので注意しましょう。
ストーカーに対する突然の拒絶や連絡の遮断は間違った方法?
ストーカーは「自分の存在を認めて欲しい」「自分の要求をのんで欲しい」という気持ちを抱えています。当然、これらの要求をのむ必要はありませんが、突然拒絶したり、急に連絡を遮断してしまうとかえって相手のフラストレーションが高まります。
ストーカーは顔見知りによる犯行が多いため、出来れば信頼できる第三者を挟んで正式な話し合いの場を持ちましょう。その場で「あなたの要求には応えることが出来ません」という意志を伝えます。
この時、あなたも同席する第三者も相手を責めるような発言をしてはいけません。ストーカーはプライドが高く、相手の気持ちを考えることが苦手な傾向にあります。「自分は悪いことをしていない」と思っている相手に対して、責める姿勢を取れば逆上される危険性があります。
あくまで相手の要求には応えられないという意志を示し、その上で「連絡をされても返信しません」「これ以上同じようなことをすれば警察に相談します」と伝えることです。
「被害者は自分なのにストーカーの気持ちなんて考えていられない」と思うかもしれません。しかし、ニュースでストーカーによる凶悪犯罪が報道されることがあるように、ストーカーは最悪の場合殺人も犯します。あなたの命を守るために、気持ちを堪えて冷静になる必要があります。
ストーカー行為をやめない場合は警察に相談する
顔見知りでない場合や、警告したのにストーキングをやめないストーカーに対しては最寄りの警察や「#9110」の警察相談専用ダイアルに電話をして一緒に対応策を考えてもらいましょう。
ストーカーによる凄惨な事件が続いたことから「ストーカー規制法」も改正され、警察も真摯に対応してくれるようになっています。それでも、単なる相談の段階では頼りない返事しか返ってこないかもしれません。
例えば「いつ・何回ストーカーにつきまとわれたか」「どの位ストーカーから連絡を受けているか」など、ストーカー被害に遭っている証拠を集めておくのが効果的です。どのようにして集めれば良いのか迷う場合は弁護士などの専門家に相談するのも手です。とにかく深刻さをアピールすることで警察も動きやすくなるでしょう。
万が一、警察に相談してあまり良い返事がもらえなかったとしても、日を改めて根気強く相談しに行きましょう。警察と言っても様々な人がいます。親身な人もいればそうでない人もいます。最初は無碍にされたものの違う日に相談しに行ったら親身に話を聞いてもらえたというケースもあります。ストーカーを逮捕できる権限があるのは警察だけです。警察を味方につけるためには、諦めないことも大事です。
非常事態には「防犯グッズ」でストーカーを撃退しよう
ストーカー被害で一番怖いのは、直接危害を加えられることです。ストーカーにつきまとわれていることが分かった場合、最悪の事態に備えて防犯グッズを持ち歩いておくと安心です。
代表的な防犯グッズは「防犯ブザー」「スタンガン」「催涙スプレー」が挙げられます。ただし、それぞれにメリットとデメリットがあります。また、防犯グッズはストーカーと「戦うため」のグッズではなく、「逃げるため」のグッズと考えておきましょう。使用したら一刻も早くその場を立ち去り、人が多く安全な場所に避難してください。
防犯ブザーは最も手軽で持ち歩き安いが効果は薄い?
防犯ブザーの最大のメリットは「手軽さ」です。子どもでも使用が出来、デザインや種類も豊富に揃っています。大きな音を出すことで周囲に異常を知らせることが出来るほか、音に驚いた不審者が逃げ出す効果が期待できます。
デメリットは「周囲の人に気付いてもらえないリスク」「加害者が逆上するリスク」です。少しでも人気がある場所で使用すれば驚いた周囲の人が異常に気付いてくれる可能性がありますが、人気の無い場所で防犯ブザーを使用しても周りが気付いてくれない可能性があります。
また、万が一ストーカーの加害者が音に驚かなかった場合、逆上して襲ってくるリスクがあることも理解しておく必要があります。防犯ブザーを過信せず、「助けて」と叫べなかった時のためのお守りとして持ち歩く程度に考えておきましょう。
スタンガンの効果は高いが加害者と接触する必要がある?
スタンガンは「威力の高さ」が最大のメリットになります。女性でもスイッチを入れるだけで簡単に使用でき、電流を相手に浴びせることでひるませる効果があります。
正規のスタンガンを販売している会社では、暴漢に襲われそうなった女性が大男に使用したところ、大男がひるんで逃げ出したという体験談が寄せられています。身の危険を感じるレベルのつきまといに遭っているのであれば、鞄にスタンガンを忍ばせておくだけでも大分心強いでしょう。
一方のデメリットは、「粗悪品が流通している危険性がある」「加害者の体に直接使用しなければならないこと」です。正規のスタンガンは命を奪わない程度に電流が調節され、いざというときにすぐに使えるようになっています。一方、安かろう悪かろうの粗悪品があるのも事実です。電流が弱すぎて相手がひるまない、スイッチが入らないなどのことがあれば、逆に命を狙われるリスクを伴います。信頼できる販売店からスタンガンを手に入れる必要があります。
また、加害者の体に直接使用しなければ効果を発揮しません。目の前の加害者相手に恐怖で体が動かないこともあります。どうしても相手の体に使用するのはためらわれるという人は催涙スプレーの方がおすすめです。
催涙スプレーは防犯ブザーとスタンガンのいいとこ取り?
催涙スプレーのメリットは、「手軽さ」「効果の高さ」です。手軽なものであれば、キーホルダーにしてつけられるようなタイプもあります。また、催涙スプレーを掛けられると多くの人は目を開けられずにその場で足止めをくらいます。性能の良いものであれば数メートル離れていても使えるため、相手に直接触れる必要が無い上にひるませる効果が期待できます。
催涙スプレーのデメリットは「鞄に入れている場合は取り出す必要がある」ことですが、これはキーホルダータイプを使うことでカバーできるため、それ程大きなデメリットにはなりません。
ストーカーから直接的な攻撃を受けそうになっていて困っている人はまず、催涙スプレーを携帯することをおすすめします。必要に応じて防犯ブザーやスタンガンを併用すると安心です。
まとめ
ストーカーによる痛ましい事件は、ストーカー規制法が改正されても後を絶ちません。ストーカーは被害者の心だけでなく、体も傷付ける危険性のある人間です。できるだけ早期に対策を行い、根気強く警察に相談してください。
それでも、最後にあなたを助けることが出来るのはあなた自身です。加害者はありとあらゆる方法であなたの動向を探ろうとしてきますので、SNSをしている人は暫く控えた方が良いでしょう。ストーカーの理不尽な仕打ちにひるまず「自分の身は自分で守る」という気持ちを持ち、常に防犯グッズを携帯してください。
ストーカーによる被害が落ち着いても油断は禁物です。もしも再発する兆候がみられる場合は、可能な範囲で連絡先の変更や転居・転職など環境を変えることも検討してください。何より大切なのはあなたの命です。