盗撮に使われる小型カメラは一目見てカメラと分からないように精巧に偽装されているものが多いです。例えば、スマホによる盗撮も件数としては多いのですが、相手に見付かることも多く盗撮の常習犯であれば使用を避けます。
今回の記事はあくまで盗撮被害を防ぐために「こんなアイテムに要注意」という意味合いで小型カメラを紹介しています。盗撮は都道府県の条例や軽犯罪法で罰せられる立派な犯罪行為ですので、記事の内容を悪用して盗撮しようとすることのないように気をつけてください。
小型カメラの本来の使用目的は「自衛」です
これから様々なタイプの小型カメラを紹介していきますが、これらのカメラは本来どういった目的で使われるものなのでしょうか?近年、パワハラやセクハラが大きな問題になっていますが、小型カメラはこういったハラスメントや嫌がらせからの自衛のために使われるものです。
ICレコーダーなどを使って会話を録音するという手段もありますが、レコーダーを設置していると分かっていてハラスメントや嫌がらせを行う人はいません。また、レコーダーを設置することで却って悪い印象を持たれてしまい、別の方法で嫌がらせをされるようになるかもしれません。
しかし、一目見てカメラとは分からない小型カメラを設置していれば相手が気付かずにハラスメントや嫌がらせを繰り返し、その証拠を然るべき部署に提出することで処分が行われるのを期待することができます。
また、元カレがストーカーになったというケースでも、付きまといの証拠を腕時計型カメラやペン型カメラでその様子を撮影することで収集することができます。このように、小型カメラは嫌がらせや犯罪行為の証拠を撮影するために使われる「自衛」のための機器であることを理解しておきましょう。
盗撮に使われる小型カメラ①:ペン型カメラ
盗撮によく使われる小型カメラの代表的なものの一つに、ペン型のカメラがあります。ペン型カメラは一見すると普通のボールペンやシャープペンシルのように見えますのでスーツのジャケットやワイシャツの胸ポケットに刺さっていても特に違和感がありません。
使用前にペン型カメラの上部を押すとスイッチのオンとオフを切り替えられ、すぐ下にレンズが設置されているのが一般的です。内部にはSDカードが入っていて、ここに映像や音声が記録されます。タイプによっては映像だけでなく音声のみの録音にも使えるので、ICレコーダーとしての機能もあります。
ボールペンとしての機能が備えられているものもあるので、盗撮を疑ったとしてもペンと言い張られてしまうと調べるのが難しくなります。このような特徴から、ペン型カメラは電車の車内やオフィスでの盗撮によく使われています。
盗撮に使われる小型カメラ②:メガネ型カメラ
メガネ型のカメラも人気の小型カメラの一つで、やはり盗撮にしばしば使われています。メガネ型のカメラは見たままの風景を録画することができるので、盗撮もしやすくなっています。メガネ型のカメラは一般的にフレームの内側にスイッチが隠されていますが、メガネをかけ直すフリをしながら起動できるので不審に思われにくいです。
メガネを普段から掛けている方でしたらいつもと違うメガネを掛けていても「メガネを買い換えた」と言えば不自然にはなりません。最近ではサングラス型の小型カメラも増えてきていて、強い日差しの影響を受けずに録画を出来るという特徴があります。
メガネ型のカメラもペン型のカメラと同じく使う場所を選びませんので、どんな場所でも使うことができます。他の隠しカメラと比べてもアングルを合わせやすいメガネ型のカメラによる盗撮被害も増えているようです。
盗撮に使われる小型カメラ③:ライター型カメラ
設置型の小型カメラとして人気が高いのが、ライター型のカメラです。喫煙者の方であれば机の上などにライターを置いていても不思議ではありませんので、やはり不審に思われることが少なくなっています。このタイプの小型カメラの場合、ペン型やメガネ型と比べてカメラの搭載スペースに余裕があります。
そのため、解像度の高い映像や長時間の撮影を行うことができるのがライター型カメラの特徴です。ただし、ライター型カメラは喫煙可能な場所にしか置けないので、会社のオフィスや会議室などでは使えないという欠点もあります。また、他人がふと手に取ってしまう可能性もあるので盗撮のプロはあまり使わないようです。
しかし、機種によっては本当に火が付くライター型カメラもあるので、本当のライターと見分けが付かないこともあります。このタイプの小型カメラは操作がシンプルなものが多く、機械の操作が苦手なタイプの盗撮犯が好んで使うこともあるようです。
盗撮に使われる小型カメラ④:腕時計型カメラ
盗撮に使われる小型カメラというのは、身に付けていて違和感のないものに偽装しています。そういう意味では、腕時計も小型カメラを隠すのに絶好のアクセサリといえます。腕時計は外から見えていても不自然ではありませんし、録画のオン・オフの操作を行うことも容易です。
腕時計型の小型カメラは探偵などのプロも愛用するアイテムで、腕時計としても使えるほかストップウォッチの機能も搭載されているなど一見すると普通の腕時計のようです。しかし、時計盤をよく見るとレンズが仕込まれていることが分かるので小型カメラだと見抜けなくはありません。
とはいえ、そうした目で見れるのは盗撮されるという心当たりがあるか、よっぽど小型カメラに精通している専門家でもないと難しいことなので、やはり腕時計型カメラを見抜くことは難しいものです。また、腕時計はどこでも身に付けるものですので場所を問わずに使われるという特徴もあります。
盗撮に使われる小型カメラ⑤:置き時計型カメラ
ライター型カメラに次いで人気のある設置型の小型カメラが、置き時計型のカメラです。置き時計型カメラは同じ時計でも腕時計型カメラと違って持ち歩いて使うのには適していません。しかし、置き時計型のカメラはサイズも大きく、カメラのスペースに余裕があるため盗撮を行う性能は高いです。
外部電源と接続できるタイプであれば24時間連続の撮影も可能で、部屋の中の盗撮を行うといった目的に適しています。また、部屋の中であれば置き時計が置かれていても何ら不思議ではありませんので、盗撮を疑うことも難しいです。
置き時計型のカメラの弱点としては、レンズの位置が固定なので設置に失敗してしまうと映したいものが映せなくなるという点と、レンズの前に物が置かれてしまいやすいという点です。置き時計の向きや場所を頻繁に変えるといった行動があれば、もしかしたら盗撮を行っているのではと疑えるかもしれません。
盗撮に使われる小型カメラ⑥:USBメモリ型カメラ
会社のオフィスなどでの使用に適した小型カメラが、USBメモリ型のカメラです。USBメモリ型のカメラは単独で置いても録画や録音を行うことができますが、真価を発揮するのはパソコンに装着して使用するときです。USBメモリ型のカメラは小型カメラとしても使うことが出来る一方、USBメモリとしての機能もあります。
そのため、撮影した動画を確認したり、映像を編集したりするのも簡単なのが特徴です。また、パソコンに装着すれば24時間の録画、録音にも対応しているのでオフィス等での使用に適しているといえます。USBメモリ型の小型カメラはどうしてもサイズが小さいので、動画撮影の性能は控えめです。
ただし、サイズが小さい分目立たないのと、オフィス等であればUSBメモリがあっても不自然ではないので盗撮されていることを見抜くのは難しいといえるでしょう。
盗撮に使われる小型カメラ⑦:火災報知機カメラ
設置型の小型カメラとして最も存在が分かりづらく、広角に撮影できるのが火災報知機カメラです。火災報知機は一般的に天井に設置されるので、天井から見下ろす形で撮影することができます。また、火災報知機はその性質上、センサーが取り付けられているものなのでレンズのようなものが付いていても自然です。
また、火災報知機はどの家にもあるものなので、天井に見慣れないセンサーがあるからといって小型カメラとは誰も思いません。そのため、実は設置型カメラとして火災報知機カメラは最もポピュラーといえる存在で、様々な場所に取り付けられていると考えられます。
ただし、火災報知機カメラの弱点としては天井にあるため取り外しが難しく、録画した動画の確認の手間がかかるという点があります。設置、確認が容易という点を重視するのであれば置き時計型カメラやライター型のカメラの方が手軽で誰でも設置できるという特徴があります。
盗撮に使われる小型カメラ⑧:モバイルバッテリーカメラ
携帯電話などの充電に使われるモバイルバッテリーに偽装した小型カメラもあります。モバイルバッテリーは手に持って歩くものではありませんので、設置型として使われることが多いようです。モバイルバッテリーといえば稼働中にランプが付きますよね。
そのため、録画中のランプが付いていても携帯電話と接続されていれば充電中に見えるので小型カメラで撮影されていると疑われずに済みます。また、モバイルバッテリーは充電オン・オフの電源ボタンが付いているので、撮影のためにボタンを押す動作も自然に見えます。
もちろん、モバイルバッテリーカメラの多くは実際に携帯電話の充電にも対応していますので、もし小型カメラと疑われても充電している様子を見せればバレる可能性も少ないです。その分、盗撮に使っている人が居ても見抜くのが難しいという特徴ともいえます。
盗撮に使われる小型カメラ⑨:フック型カメラ
壁にハンガーや小物を掛けるフックの形をした小型カメラが、フック型カメラです。一般的な家庭であればフックの一つや二つはあるので、家の中に仕掛けるのに適した小型カメラといえます。また、防犯目的としてはフック型カメラはロッカーの内部に仕掛けてもよいでしょう。
フック型カメラはレンズがフックの上部に設置されているものが多く、そのため実際に物を掛けていても撮影することができます。フックだけだと上に穴が空いているのを不審に思われる可能性がありますが、物が掛かっていれば誰が見てもフックに見えるでしょう。
高性能なフック型カメラには動体検知機能が付いていて、誰かが近くに来た時に自動でカメラが動作して録画を開始してくれます。職場のロッカーの防犯目的などで設置するのであれば、少しハイエンドなモデルを選んでもよいかもしれません。
盗撮に使われる小型カメラ⑩:カモフラージュカメラ
ここまで様々な小物に偽装した小型カメラを紹介しましたが、他にも様々なものにカモフラージュした小型カメラがあります。一風変わった小型カメラとしてはペットボトル型やミントタブレット型の小型カメラがあり、それぞれのアイテムが存在しても不自然ではないシチュエーションで使われます。
リモコンやキャップ、双眼鏡やPCアダプターなど数多くのアイテムに小型カメラが装着されているので、盗撮される側としては発見するのが難しいといえるでしょう。これらのカモフラージュカメラのタイプは次の2点で分けられます。
まずは、カメラのアングルを自由に動かせるか、固定するのかという点です。キャップ型の小型カメラや双眼鏡型の小型カメラであれば自分で自由にアングルを動かせるので、撮りたい物を撮れるという特徴があります。ただし、被写体を追いかけるあまり不自然な動きをしている場合は盗撮ではないかと感じられるので発見できる可能性があるかもしれません。
次に、カメラを設置するスペースが大きいか小さいか、という違いです。このスペースが大きいとカメラの性能も比較的高いものを設置できるので、撮れる映像も鮮明なものになります。ただし、小さければ小さいほど目立たないのでカメラ自体の発見が困難になるという特徴もあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は、防犯目的で使うのに有効な小型カメラを紹介しました。いずれも別のアイテムに偽装されているので、小型カメラであることがバレにくくなっています。一方、悪用されて盗撮用に使われることも多いのが実際なので注意が必要です。
今回の記事は盗撮を防ぐために「こんなアイテムが危ない!」という知識を身に付けておくためにも参考になるかと思いますので、もし盗撮される心当たりがある方は意識しておくと良いでしょう。